前回米国株のオプション取引について、初心者向けの記事を書きましたが、今回は戦略を10個上げながら解説をしていきたいと思います。
永久保存版として、こちらの戦略を頭に入れて、当てはめて貰えれば良いと思います。
はじめに
米国株オプション取引のみならずオプション取引は、多くの投資家にとって魅力的な投資手段です。
特に、市場の変動が激しい時期においては、リスクを管理し、損失を最小限に抑えるためのリスクヘッジ戦略が重要です。この記事では、プロトレーダーが実践する市場の変動に対応するオプションのリスクヘッジ戦略について具体的に解説します。
リスクヘッジの基本概念
リスクヘッジとは、予期せぬ価格変動からポートフォリオを保護するための手段です。オプション取引は、その柔軟性からリスクヘッジに最適なツールの一つです。主なリスクヘッジの戦略には、カバードコール、プロテクティブプット、スプレッド戦略などがあります。これらの戦略を活用することで、市場の変動に対する保護を強化し、投資リターンを安定させることができます。
具体的なオプション戦略10選
Covered Call(カバードコール)
Covered Callは、株式を保有しながらコールオプションを売る戦略です。この戦略は、株価が急上昇しないと予想される場合に有効です。
具体例
- 株式保有:
- あなたはXYZ社の株式を100株保有しています。現在の株価は1株あたり$50です。
- オプション取引:
- 3ヶ月後の満期日のコールオプションを売ります。ストライクプライスは$55で、プレミアムは1株あたり$3です。
- 取引の結果:
- コールオプションのプレミアムは100株分で$300です。
- 満期日まで株価が$55未満であれば、株式を保有し続けます。$55を超えた場合、100株を$55で売ることに同意します。
- 利益計算:
- 株価が$50から$55に上昇した場合、株式売却による利益は$500です。さらに、コールオプションのプレミアム$300を受け取ります。総利益は$800となります。
Protective Put(プロテクティブプット)
Protective Putは、株価下落のリスクから投資を保護するための戦略です。この戦略は、株価が下落すると予想される場合に有効です。
具体例
- 株式保有:
- あなたはXYZ社の株式を100株保有しています。現在の株価は1株あたり$50です。
- オプション取引:
- 3ヶ月後の満期日のプットオプションを購入します。ストライクプライスは$45で、プレミアムは1株あたり$2です。
- 取引の結果:
- プットオプションのプレミアムは100株分で$200です。
- 株価が$45未満に下落した場合、100株を$45で売ることができます。$45以上の場合、オプションは行使されません。
- 利益計算:
- 株価が$50から$40に下落した場合、株式の価値は$4,000ですが、プットオプションにより$45で売ることができます。損失は最小限に抑えられます。
Vertical Spread(バーティカルスプレッド)
Vertical Spreadは、同じ満期日で異なるストライクプライスのオプションを同時に売買する戦略です。この戦略は、市場が一定の範囲内で推移すると予想される場合に有効です。
具体例: Bull Call Spread(ブルコールスプレッド)
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から$60の間で推移すると予測しています。
- オプション取引:
- 3ヶ月後の満期日のコールオプションを購入します。ストライクプライスは$50で、プレミアムは1株あたり$4です。
- 同時に、ストライクプライス$55のコールオプションを売ります。プレミアムは1株あたり$2です。
- 取引の結果:
- コールオプションの購入費用は100株分で$400です。
- コールオプションの売却によるプレミアム収入は100株分で$200です。
- 利益計算:
- 株価が$55に達した場合、$50で購入したコールオプションが$5の利益を生み出します。100株分で$500です。
- 売却したコールオプションのプレミアム収入と合わせると、総利益は$500 - $200 = $300となります。
Iron Condor(アイアンコンドル)
ron Condorは、相場のボラティリティが低い時に有効な戦略です。市場が一定の範囲内で推移することを期待して、複数のオプションを売買します。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から$60の間で横ばいに推移すると予測しています。
- オプション取引:
- ストライクプライス$60のコールオプションを売ります。プレミアムは1株あたり$2です。
- ストライクプライス$65のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$1です。
- ストライクプライス$40のプットオプションを売ります。プレミアムは1株あたり$2です。
- ストライクプライス$35のプットオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$1です。
- 取引の結果:
- コールオプションの売却によるプレミアム収入は100株分で$200です。
- コールオプションの購入費用は100株分で$100です。
- プットオプションの売却によるプレミアム収入は100株分で$200です。
- プットオプションの購入費用は100株分で$100です。
- 利益計算:
- 株価が$40から$60の間で推移する場合、オプションは行使されず、プレミアム収入の合計$200が利益となります。
Collar(コラー戦略)
Collarは、Protective PutとCovered Callを組み合わせた戦略です。株価の下落リスクを抑えながら、株価の上昇利益を一部放棄することで、全体のリスクを低減します。
具体例
- 株式保有:
- あなたはXYZ社の株式を100株保有しています。現在の株価は1株あたり$50です。
- オプション取引:
- 3ヶ月後の満期日のプットオプションを購入します。ストライクプライスは$45で、プレミアムは1株あたり$2です。
- 同時に、ストライクプライス$55のコールオプションを売ります。プレミアムは1株あたり$2です。
- 取引の結果:
- プットオプションのプレミアムは100株分で$200です。
- コールオプションのプレミアムは100株分で$200です。
- 利益計算:
- 株価が$45未満に下落した場合、プットオプションにより100株を$45で売ることができ、損失を抑えられます。
- 株価が$55を超えた場合、コールオプションにより100株を$55で売ることになりますが、上昇利益は一部放棄する形になります。
Calendar Spread(カレンダースプレッド)
Calendar Spreadは、異なる満期日で同じストライクプライスのオプションを同時に売買する戦略です。市場のボラティリティが低い時期に有効です。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が今後数ヶ月間ほぼ変動しないと予測しています。
- オプション取引:
- 1ヶ月後の満期日のコールオプションを売ります。ストライクプライスは$50で、プレミアムは1株あたり$2です。
- 同時に、3ヶ月後の満期日の同じストライクプライス$50のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$4です。
- 取引の結果:
- コールオプションの購入費用は100株分で$400です。
- コールオプションの売却によるプレミアム収入は100株分で$200です。
- 利益計算:
- 株価が$50のまま推移する場合、1ヶ月後のコールオプションは行使されずに満期となり、3ヶ月後のオプションの価値が維持されます。
- プレミアム収入との差額である$200が利益となります。
Butterfly Spread(バタフライスプレッド)
Butterfly Spreadは、3つの異なるストライクプライスのオプションを組み合わせた戦略です。市場のボラティリティが低く、株価が一定範囲内で推移すると予測する場合に有効です。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から大きく変動しないと予測しています。
- オプション取引:
- ストライクプライス$45のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$1です。
- ストライクプライス$50のコールオプションを2つ売ります。プレミアムは1株あたり$2です。
- ストライクプライス$55のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$1です。
- 取引の結果:
- $45のコールオプション購入費用は100株分で$100です。
- $50のコールオプション売却によるプレミアム収入は100株分で$400です。
- $55のコールオプション購入費用は100株分で$100です。
- 利益計算:
- 株価が$50に近い場合、オプションの価値が最大化されます。$45と$55のコールオプションが行使されず、$50のコールオプションのプレミアム収入が利益となります。
- 株価が大きく変動しない限り、プレミアム収入との差額である$200が利益となります。
Long Straddle(ロングストラドル)
Long Straddleは、市場のボラティリティが高く、株価が大きく動くと予想される場合に有効な戦略です。株価が上昇しても下落しても利益を上げることができます。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から大きく変動すると予測しています。
- オプション取引:
- ストライクプライス$50のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$3です。
- 同じストライクプライス$50のプットオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$3です。
- 取引の結果:
- コールオプションとプットオプションの購入費用は合計で100株分の$600です。
- 利益計算:
- 株価が大きく上昇した場合(例えば$60)、コールオプションの価値が増加し、利益を得ます。株価が$60であれば、コールオプションの価値は$10です。
- 株価が大きく下落した場合(例えば$40)、プットオプションの価値が増加し、利益を得ます。株価が$40であれば、プットオプションの価値は$10です。
- 株価が$50に留まった場合、プレミアム費用$600が損失となります。
Long Strangle(ロングストラングル)
Long Strangleは、Long Straddleと似ていますが、異なるストライクプライスのオプションを購入することで、コストを抑えながら株価の大きな変動に対応します。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から大きく変動すると予測していますが、具体的な方向は分かりません。
- オプション取引:
- ストライクプライス$55のコールオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$2です。
- ストライクプライス$45のプットオプションを購入します。プレミアムは1株あたり$2です。
- 取引の結果:
- コールオプションとプットオプションの購入費用は合計で100株分の$400です。
- 利益計算:
- 株価が$55以上に上昇した場合、コールオプションの価値が増加し、利益を得ます。
- 株価が$45以下に下落した場合、プットオプションの価値が増加し、利益を得ます。
- 株価が$45から$55の間に留まった場合、プレミアム費用$400が損失となります。
Ratio Spread(レシオスプレッド)
Ratio Spreadは、同じ方向のオプションを異なるストライクプライスで異なる数量で売買する戦略です。特定の価格範囲で利益を最大化することが目的です。
具体例
- 株価予測:
- あなたはXYZ社の株価が現在の$50から緩やかに上昇すると予測しています。
- オプション取引:
- ストライクプライス$50のコールオプションを1つ購入します。プレミアムは1株あたり$3です。
- ストライクプライス$55のコールオプションを2つ売ります。プレミアムは1株あたり$1.50です。
- 取引の結果:
- コールオプションの購入費用は100株分で$300です。
- コールオプションの売却によるプレミアム収入は100株分で$300です。
- 利益計算:
- 株価が$50から$55の間で推移する場合、購入したコールオプションの価値が増加し、売却したコールオプションのプレミアム収入と相殺して利益を得ます。
- 株価が$55以上に上昇した場合、売却したコールオプションが行使され、追加のリスクが発生します。
成功のためのポイント
リスク管理の重要性
リスク管理は、オプション取引において最も重要な要素の一つです。ポジションごとにリスクを管理し、慎重に取引を行うことが求められます。具体的には、各ポジションのリスクとリターンを評価し、適切なサイズで取引を行うことが重要です。
市場分析と予測
市場のトレンドや動向を的確に予測し、適切な戦略を選択することが求められます。技術的分析やファンダメンタルズ分析を駆使し、市場の動きを予測する力を養いましょう。
感情のコントロール
オプション取引では、感情に左右されない冷静な判断が求められます。損失を出した際でも冷静さを保ち、計画通りの取引を行うことが成功の鍵です。
まとめ
米国株オプション取引において、リスクヘッジ戦略を駆使することで、市場の変動に対応しながらリスクを管理することが可能です。
さまざまな戦略を組み合わせることで、自身の投資スタイルや市場状況に合わせた最適なリスクヘッジを実現しましょう。
市場分析やリスク管理を徹底し、感情をコントロールすることで、安定した利益を追求することができます。
デリバティブ取引の概念が頭に入ると、なぜ私自身がアービトラージやイベドリを中心とした取引をしているのかであるとか、裸での取引が危険かというのがよくわかると思います。
勿論日経225ミニでも取引はできますので、チャレンジしてみると良いかと思います。
デリバティブも然り、その他諸々、効率的に資金を増やすことが一番重要です。
特に、初段は資金が少ないところから始める方が多いと思いますので、こういったものも使ってみると面白いと思います。
基本的に多くの個人投資家が行っている行為は、楽で効率的に見えるかもしれませんが、知識が無い分非効率的に資金を回している恐れもありますので、まずは自身の資金と時間軸と目標値の中で、どの形が良いのか定めてひたすらそれをぶん回してみると良いかと思います。
正しいやり方でしっかり資金が増えてくると、資産ベースでもそこから先は増やすの非常に楽になると思いますので、最初の初動を間違えないように色々と取り組んでもらえたらと思います。
参考までに
私のサイトでは、パッケージで用意している商品から、相談窓口まで色々と用意をしていますので、必要であれば利用してみてください。
結局のところ、1人で考えることや情報を取捨選択するにも、知識と情報量の差が多すぎるので、正しい選択肢というのを導き出せずに、効率性も含めて、中々正しい選択に結び付けることが難しいかと思います。
とはいえ、私が教える内容は、真実とは言え、難しい物も存在していますので、如何に吸収して貰って、自分にそれが合っているかをいち早く判断してもらうことが重要かと思います。
記事で書いている内容や商品として販売しているものについても、個人投資家では知りえないかもしれませんが、マーケット参加者である程度海外のエッジの効いた所や、エクイティやデリバ畑であれば知っている話になるのと、そのような連中が基本相手方となり取引をしていくことになりますし、前提として差があったとしても同ステージで戦うお話になりますので、個人投資家同士で傷を舐め合ったり、励まし合っても全く意味はないです。
マーケットはお金を取り合う場所になりますから、隣は敵であって、如何に知識を早く付けて、資金を増やして、少しずつ動かせるものを増やしていき、戦えるフィールドを拡大することで、楽しくなってきますし楽になってきます。
基本的に、証券会社に落とす手数料のほんの微々たるものとしてしか、私の方は頂戴していませんので、色々と参考にしてもらえたらと思いますし、取引の見方自体も変わってくると思います。
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